語学学習のヒント

言語、文法、スタイル、語彙に関する専門家のヒントを得よう!

リスニング力もあがる!?英語の音読学習の効果と練習のポイント!

by
11 4月 2016
音読学習のコツ

非常にポピュラーな学習法でありながら、複数の角度から英語力を伸ばすことが出来る英語の音読学習。では実際に、音読学習ではどんな効果を得ることが出来るのでしょうか?

ここでは、正しい音読学習の方法と、音読学習の間違えやすいやり方より効果的な音読方法を紹介します。音読学習で英語力を伸ばし、臆せずに英語を話せるようになりましょう!

 

英語の音読学習とは?


JP_Blog_improve_listening_skill_image4

人は泳げるようになるには、泳ぎ方の入門書を読むだけでなく、実際に水中で泳ぐ練習をしなければ、泳げるようにはなりません。同じく、ピアノを演奏するには、ピアノの弾き方の説明だけでなく、実際にピアノを弾いてみる必要があります。

それと同じで、英語を喋れるようになるには、教科書や参考書を読むだけでなく、実際に話す練習をする必要があります。しかし、「じゃあ話してみて」と言われて突然話そうとすると頭が真っ白になってモゴモゴしてしまいませんか?それは、英語を声に出す練習が足りていないからです。

音読学習では、英語を話すときに絶対に必要になる「英語を声に出す」練習と、英語を英語のまま理解する力を鍛えることができます。

英語を黙読すると、どうしても文法を入れ替えたり日本語に訳して英文を行ったり来たりしながら徐々に読み進めてしまいます。しかし、会話の流れと同じように音読することで、英語の意味を日本語に訳すことなくイメージできるようになり、英語の文章の並べ方を頭だけでなく体で覚えることが出来るんですね。

また、読むと意味を知っているけど、発音を知らず聞いても理解できない単語(実際に会話では使えない状態の単語)も、発声方法を知ることができるので、実践で使える単語を増やすことができます。更に、ネイティブの発音を真似て発声するため、ネイティブの発音を注意深く聴くようになり、リスニング力アップにも効果的です。

さて、そんな良いことずくしの音読学習ですが、どんな点に気をつけて行えば、より効果的なのでしょうか?

 

英語の音読方法のコツとは??


JP_Blog_improve_listening_skill_image3

音読と言ってもただ読めばいいのではなく、音読している英文の意味は事前に理解しておく必要があります。意味が分からないまま音読しても、自分が何を音読しているのか分かっていないので、耳から入ってくる音の意味を理解することができませんからね。

音読をし続けると英語の発声を癖付けられるので、各単語やフレーズの発音も事前に理解しておきましょう。

とくに発音は、一度間違った癖をつけてしまうと後から直すのが大変です。ながら音読をして変な癖を付けないように、日本人が苦手な「L」と「R」、「S」と「TH」、「S」と「SH」の違いや、「TR」、「W」の発声方法は事前に知っておき、気をつけて発音するようにしましょう。

それを踏まえて、英語の音読をより効果的にするコツを紹介します。

 

●コツその1:オーバーラッピングをする

"オーバーラッピング(over wrapping)"とは、ネイティブの講師やCDの音声に合わせて発話する手法です。オーバーラッピングすることで、文章を読むときのリズム息継ぎのタイミング、文章内での強弱の付け方を体で覚えることができます。同じタイミングで出来るようになると、実際に外国人と会話するときの自信にもなります。

また、突然1人で読むのでは気恥ずかしく感じてしまいますが、ネイティブの音声に被せることで気持ち的に楽に音読できます。

オーバーラッピングのやり方は、まずお手本とする音声を何度か聴き、発音や全体の強弱の付け方、息継ぎのタイミングを確認していきます。カラオケで歌いたい歌の予習をオリジナルの曲でするような感じです。

オーバーラッピングする文章の理解が深まったら、文章を目で追いながら音声に合わせて一緒に発声します。ただ声に出すだけでなく、先に聞いてチェックした発音やイントネーションに気をつけ、お手本に近づけるように発声しましょう。

大切なのは、何度も同じ文章を繰り返してよりネイティブの音声に近づけることです。「ここの発音では舌や唇の動きがこうなるはずだ」という細かい点まで見直しながら、少しずつ改善していきましょう。

 

●コツその2:英文を音読する

発声するときに、自分が今何を喋っているのか、内容を考えながら読むことは大切です。音読している英文と意味をリンクさせながら覚えていきましょう。

英語の音読を行うのは毎日30分でも効果があります。慣れないうちは1分程度の文章を30回繰り返し行い、英語力がついてきたら長めの文章に挑戦しましょう。

近くに家族などがいる場合、どうしても恥ずかしくなって小声になりがちですが、普段友達と話す時と同じくらいの声の大きさで音読してください。口先だけでボソボソ話す癖がついてしまうのは良くないですし、発音練習の妨げにもなってしまいます。(英語で話すときに相手に理解してもらう一番のコツは、間違っていてもハッキリと声に出して話すことです。)

 

みんながやりがち!効果のない音読方法とは?


JP_Blog_improve_listening_skill_image2

声に出して英語を練習しさえすれば上達するだろうと思って、ダラダラ回数だけこなしてはいませんか?
英語の音読はただ声に出すだけでは効果がありません。無駄な時間を過ごさないように、ポイントを抑えて練習していきましょう。

 

●チェックポイント1:英文を理解していないまま音読している

特に気をつけたいのは、ぼんやりとしか理解していない英文をただオーバーラッピングすること。読んでいる文の意味があやふやでは、何度繰り返しても頭と体に染み込ませることができません。文章の意味だけでなく、どうしてこの文法が使われているのか?どれが名詞でどれが動詞であるのかを学習してから音読練習に入りましょう

 

●チェックポイント2:文章は理解しつつもただ音読している

文章の意味を完全に理解していても、音読中に何も考えずに読んでいるのでは、文章と意味をリンクして覚えることができません。音読中も内容を頭のなかでイメージしながら声に出しましょう

 

●チェックポイント3:一回でマスターしようとする

それでも上達が感じられない場合、反復量が足りていない可能性があります。
初めて知る単語を一度で自分で使えるレベルまで落としこむのは至難の業です。たくさんの文章を一気につめ込まずに、少量の文章を繰り返し練習して確実に身に着けていきましょう

 

文章と意味を同時に頭に入れていくことの他に大切なのは、ネイティブの音声を使って正しい発音を身に付けることです。
元となる音声は正しい発音をしているネイティブの音源を使用し、自分で発音する際にも正しい発音を意識しながら声に出しましょう。でたらめな発音で音読することは、効果があるどころか悪影響を及ぼしかねません。

とはいっても、自分の発音がネイティブの発音と比べて正しいのかは、音読している最中は気がつけませんよね。そんなときは、オーバーラッピングするときに自分の声を録音すると、ネイティブの発音との違いを客観的に聴くことができます。

自分の声の録音、しかも英語を話しているものを録音するのに、初めは抵抗感を感じると思いますが、やるのとやらないのとではかなり差がでます。必要なステップだと割り切り、思い切ってやってみてください。

 

留学出発前こそ力を入れたり音読学習


最近では、英語の音読学習の効果が見直され、新しい参考書が販売されるなど音読学習が流行しているようです。ただ、英語の音読学習はただの流行ではなく、以前からも効果があるとされている学習法です。

特に、これから留学やワーキングホリデーに出発する人で、「英語はそれなりに勉強してきたけど会話に自信がない」という人は絶対やって欲しい学習法です。実際に語学学校などで英語を習うときに、音読学習で英語を声に出す訓練を行っておけば、英語で発言したり質問を理解するのに凄く役立ちます。

限られた期間の留学で最大限の効果を発揮するためにも、出発前の英語学習は効果のある方法に力を入れていきましょう。

タグ

Share this article